賞味期限その3:賞味期限100年のフリーズドライ食品は可能か?

フリーズドライ食品は永遠に腐らない?

食品が腐る(=人間にとって健康を害するなど有害な微生物が増殖する)ためには、水分が必要です。フリーズドライとは気圧が低くなると水の沸騰する温度が下がることから、超低温・真空に近い超低圧では水が凍ったまま蒸発するようになる現象を利用して食品から水だけを取り除く究極の乾燥方法です。フリーズドライ直後の食品の水分は非常に低く、どんな微生物も増殖できません…そうするとフリーズドライ食品は永遠に腐らないのでしょうか?

食品の腐敗を防ぐには

食品中で微生物が増殖しなければ、腐敗することはありません。そのためには、

  1. 食品の中にいる微生物を死滅・除去する
  2. 食品の中にいる微生物の増殖を抑える

のどちらか(あるいは両方を組み合わせる)が必要です。

食品の中にいる微生物を死滅・除去する

加熱処理や超高圧処理、放射線照射など食品の中の微生物を減らす技術を用いることで、食品の中にいる微生物を死滅・除去することができます。私達が生活している環境(空気や水など)には非常に多くの微生物が生活しており、せっかく殺菌した食品もそのままではあっという間に腐敗してしまいます。ですから、食品を外界との接触を防ぐ包装や密封などを行った上で殺菌することで微生物を死滅させ、その状態を保つことで腐敗を長期間防ぐ(レトルトや缶詰など)方法が広く用いられています。

食品の中にいる微生物の増殖を抑える

魚や肉を干したり、塩蔵、発酵、燻製など人類は科学的な見地がない遙か太古の時代から偶然や経験で様々な保存食を作ってきました。一般的に食品中の微生物の増殖を抑える方法として

  • 保管温度を下げる:微生物が増殖できない、あるいは増殖スピードが遅くなる温度で保管することで増殖を抑える(冷凍・冷蔵など)
  • 水分を下げる:微生物の増殖に必要な水分を減らすことで、増殖を抑える(乾燥・塩蔵・糖漬など)
  • 微生物の増殖を抑える物質を加える(燻製、酢漬け、保存料などの食品添加物など)
  • 特定の微生物を増やすことでその他の微生物の増殖を抑える(発酵食品など)

が用いられています。フリーズドライでは食品の水分を極限まで下げることで微生物の増殖ができない状態にしています。ですから理論的にはフリーズドライ食品はそのままの状態では腐ることはありません。

ではどうして市販されているフリーズドライ食品のほとんどが数ヶ月から1年という賞味期限が設定されているのでしょうか?次回は食品を包装しているパッケージと賞味期限の関係について説明します。

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