賞味期限その4:フリーズドライ食品の吸湿と品質劣化

多孔質なフリーズドライ食品は吸湿しやすい

前回の記事(賞味期限100年のフリーズドライ食品は可能か?)で、フリーズドライでは食品の水分を極限まで下げることで微生物の増殖ができない状態にしており、理論的にはフリーズドライ食品はそのままの状態では腐らないとお伝えしました。しかし、市販されているフリーズドライ食品の多くは数ヶ月から1年程度の賞味期限が設定されています。

フリーズドライは食品の中の氷を取り除く技術。乾燥後の食品には氷があったところが隙間(多孔質)となります。お湯や水を注いだ時にその隙間から食品の内部に染みわたり、素早く食べられる状態に戻ります。一方「多孔質になる」=「表面積が増える」ことでもあり、フリーズドライ食品は空気中の水分を吸収し、とても湿気りやすい性質を持っています。ですからフリーズドライ食品はどのような包装がされているかで、賞味期限に大きな違いが出てきます。

ではフリーズドライ食品が吸湿して水分が高くなるとどうなるのでしょうか?

食品の水分と微生物による腐敗

食品の中で人にとって有害な微生物が増殖することを腐敗といいます(逆に人にとって有益な微生物が増殖することを発酵と呼びます)。微生物が活動するためには、栄養と水が不可欠です。

水分と水分活性

食品の中の水には2種類あって、食品とあまり強く結合しておらず食品の中で比較的自由に動くことができ微生物が利用できる水分(自由水)と、食品の成分と強く結合していて、自由に動いたり微生物が利用したりできない水分(結合水)に分かれています。ですから「食品中の水分」=「自由水」+「結合水」となります。

食品の中に含まれる自由水の割合を「水分活性値(Water Activity) : 記号Aw」という値で表し、食品の中の水分全てが自由水の場合1.0に、逆に全く自由水が無い場合0.0となります。一般的に知られている水分と相関関係はあまりなく、水分が高いにもかかわらず水分活性が低い食品や、逆に水分が低いのに水分活性が高い食品もあります。「水分活性が高い=微生物が自由に利用できる自由水が多い」ことから、水分活性値が低いほど、微生物が増殖しにくくなります。

水分と水分活性
食品の水分活性が低いと微生物は増殖できなくなり、水分活性が0.5を下回るとほとんど全ての微生物は増殖できません。

 

包材とフリーズドライ食品の吸湿

加工食品では包材がどの程度水分を通すかで、中身(食品)がどの程度吸湿して水分活性が上昇するかが決まります。弊社マウンテンハウスパウチ製品とアメリカで販売されているその他ブランドの包材の水分を透過させる度合いの比較調査(分析は外部機関に委託)を行いました。包材が水分を通してしまう度合いはWVTR (Water Vapor Transmission Rate : 水蒸気透過度)という単位を用いて測定されます。マウンテンハウス製品のWVTRを基準として他のブランドの結果と比較すると、包材の性能に大きな差(2倍~1100倍)があることが分かりました。

これがどの程度の差かをわかりやすくするために、小さじ一杯(5g)の水分が1m2の包材を通過するのにどのくらいの時間がかかるかを計算しました。マウンテンハウスの包材では5gの水分が通過するのに25年かかりますが、その他のブランドの包材では10年から8日とかなり早い時間で水分が通過します。すなわち、包材の中の食品がより早く吸湿することになります。

包材の性能や包装技術によりフリーズドライ食品の吸湿に差が出てくる=「品質の劣化と賞味期限の長さに差が出てくる」
ことになります。

各ブランドの包材の水分が通過する量を比較しました。ブランドにより水分の通過量に大きな差があります。
包材の性能から予想される吸湿量

オレゴンフリーズドライ社は包装資材が賞味期限に与える影響を非常に重要視しており、包装資材メーカーの開発に従事していた技術者がマウンテンハウス・サバイバルフーズの包材設計、製造工程の開発と品質管理に携わっています。

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